Open Mとその開発環境
日本ダイナシステム株式会社
嶋 芳成
NIFTY-Serve PBA00412
[1]はじめに
日本ダイナシステム株式会社は、Mシステムの普及とサポートを通じて、世界の健康と平和に貢献するために活動しています。今回、Mに関連した製品について紹介します。
[2]経過
約6年前より、InterSystens社のOpen M for PC/Windows3.1(当時はDataTree M)の日本語化、国内での販売、サポートを手掛けてきました。今年になってInterSystems社から、Open M Windows NT/95がリリースされるとともに、InterSystems社と協力してこれの日本語対応を進めています。
M言語はそれだけで、プログラム開発の生産性が高いうえ、簡単なツールが容易に作成出来てしまいます。このため、特に日本国内では、M言語によるアプリケーション開発ツールはほとんど市販されてきませんでした。
しかし、グラフィカルユーザーインターフェースの普及とともにSQLを軸にデータベース業界の状況は変化しており、コンピュータシステムを非定型業務に応用したいという要求も極めて強くなっています。
従って、Mといえども、さらに効率的なアプリケーションの開発方法が必要となっています。日本ダイナシステム株式会社は米国のAtlas Development社がOpen with SQL用に開発したツール群について、Atlas社と協力して日本語対応し、国内で販売します。
今回これからの製品についてその概略をご説明します。
[3] InterSystems社製品
M言語製品
(1) | Open M for PC/Windows3.1(Data Tree M) |
Open M for PC およびWindows3.1は、従来からData Tree M(DTM)と呼んでいた製品群です。これには、Version4のシリーズと、Version6のシリーズがあります。 どちらも、MS-DOS またはPC-DOSの上で稼働するシステムで、マルチユーザー、マルチタスク、ネットワーク分散データベースシステムです。 米国ボストンのブリガム・アンド・ウーメンズ病院は、この製品を用いてクライアント6000台以上(そのうち同時稼働クライアントが4000台以上)という巨大システムを稼働させています。これは世界最大のクライアント/サーバーシステムとして知られています。100万人以上の患者データベースにリアルタイムにアクセスできるシステムで、国内に汎用機によるホスト/端末構成のもの含めても、これに匹敵する病院情報システムはありません。 Version4 とVersion6のどちらも、Windows3.1およびWindows95のDOS窓でも稼働しますが、後で述べるVisual M の機能は、Version6でのみサポートしています。ネットワークはNetBios、SPX/IPXに対応し、Version6ではTCP/IPにも対応しています。またどちらかのバージョンも、データベースシャドウイングの機能を持つので、比較的安価なハードウェアでも安全性の高いデータベースを作ることができます。Version6にはデータベース・ハードニング、ネットワーク・ハードニングという技術も加えられているので、さらに安全性が高くなっています。 |
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(2) | Open M for Windows NT/95 |
これは、InterSystems社の最新のMシステムで、Version7.0です。Windows95またはWindouws MTのWin32API、マルチCPU、マルチスレッドに対応した、さらに高性能なマルチユーザー、マルチタスク、ネットワーク分散データベースシステムです。DOS窓は必要ありません。Visual Mをサポートし、ユーティリィもすべてGUI化されています。 現在、日本ダイナシステムはInterSystemsに協力して日本語対応を進めています。 この製品については、InteeSystemsから紹介される予定です。 |
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(3) | Visual M |
これは独立した製品ではなくOpen Mの機能の一部として提供されるモジュールです。Visual Basic 4.0やDelphi 2.0のGUI画面から、Open Mのデータベースにアクセスしたり、Open Mプログラム(プロシージャ)を起動し、呼びだすことができます。 従来はVisual Mは同一マシン上で、VB等とOpen Mが連携するものでしたが、Remote Visual Mは、TCP/IPプロトコルを用いてLAN上の他のマシン上のOpen M をデータベースエンジンとして呼びだすことができます。リソースの集中管理にはより適した構成をとることができるようになりました。 |
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SQL製品 | |
(4) | M/SQL |
これは、M言語上で開発されたリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)です。Open M with SQLとして提供されます。これだけで、データ定義、入力参照画面の作成と実行、レポート書式の作成と実行が可能です。SQL文はすべてM言語プログラムにコンパイルされ、データはすべてMシステムのグローバルとして蓄積されますから、ひとつのデータベースを、M言語プロブラムとSQLの二つのレベルでアクセスすることができます。また、既存のMアプリケーションのデータベース構造をM/SQLのデータ辞書機能で再定義すれば、その既存のデータベースをSQLで操作することができます。 さらに、ODBCに対応しているので、MのデータベースをAccess ExcelなどODBCクライアントからアクセスすることもできます。 代表的な他のリレーショナルベータベースに比較して、アプリケーションは2倍以上処理速度が速いということが経験的に言われます。また、データ定義の追加/削除が柔軟なことや、拡張SQL構文をさぽーとしているので、SQL文をより簡潔にすることができるので、開発効率も高くなるというメリットもあります。 |
[4] Atlas Development社製品
Atlas Development社は、InterSystems社のMおよびM/SQL製品上の開発環境や開発ツールを提供しています。InterSystems社の最新のリリースからは、Atlas Development社が開発したVisual ArchitectがCDに同梱されるようになりました。
現在日本ダイナシステム株式会社は、Atlas Development社と協力してこれらの製品の日本語対応を進めています。
(1) | A/Frame |
M/SQLの機能やメニューを拡張し、M/SQLにない様々な機能、テンプレートやショートカットを提供します。システムのライフサイクルを管理するトータルなシステムです。 プロブラムの標準化を進め、ドキュメンテーションを容易にするので、システム開発の生産性をより高めることができます。 |
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(2) | A/Fusion |
これは、ErwinやSystem ArchitectのようなデータモデリングのCASEツールとM/SQLを結びつける製品です。CASEツールによるデータベース設計をM/SQLのデータ定義に翻訳し、逆にM/SQLのデータ定義をCASEツールに渡してリバース・エンジニアリングすることも可能です。その結果、設計/開発の手順を合理化して生産性を上げることができます。データベースの正確性を保障し、標準化を促進することができます。 また、CASEツールを介在して他のRDBのデータ定義をM/SQLに取り込むことも可能です。 |
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(3) | Visual Architect |
Visual Architectは、前述のVisual Mによるプログラム開発をサポートする製品です。 これはMデータベースアクセスのコードと、Visual Basicフォーム上のコントロールのイベントロジックを自動的に生成します。これによってコーディング作業を大幅に削減しソフトウェア品質を向上し、生産性を数倍に上げることができます。 M/SQLと同時に利用すれば、M/SQLのデータ辞書を用いて、ほとんどコーディングなしにOpen Mのデータベースにアクセスすることができます。M/SQLを用いなくても、Mによるデータベースアクセスを一般化したテンプレートを用意していますから、それを用いて簡単にMプログラムを作成することができます。 |
ErwinはLogic Works Inc.(米国)の登録商標です。
System ArchitectはPopkins and Software Inc.(米国)の登録商標です